ココ・シャネル的生き方

エッセイ

 ココ・シャネルの映画を見て、本を読んだ。

 ココ・シャネルが、孤児院で育ち、偉大なデザイナーまで昇り詰めたことを思うと、いかに不運を嘆くことがナンセンスで時間の無駄かと気づく。

 まあ、彼女は美しく賢く生まれた。帽子店を始める資金を出してくれるような富豪の男性たちと縁があった(後に、彼女はその資金を返済する)。デザイナーになる才能に恵まれた・・・と思うと、相対的には強運だったと言えるのかもしれないけれど。

 彼女が、当時、コルセットで女性の身体を締め付けゴタゴタに飾り立てていた、男性優位社会に反発し、女性の身体をシンプルな洋服で解放したところに感動する。しかも、彼女が愛したカラーは、男に媚びない黒。クーッ、カッコいい!

 わたしが彼女の言葉で特に好きなものは、

 「服の優美さは、身動きの自由さにある」

 「私は日曜日が嫌い。だって、誰も働かないんだもの」

 「私は流れに逆らって泳ぐことで強くなったの」

 の三つ。

 「私は日曜日が嫌い」と言えるほど、わたしも好きなことを仕事にして生きてみたかった。

 また、シャネルスーツとバックを身につけ、真珠のネックレスとイヤリング、香水をつけて仕事に行ったらどんなにテンションが上がるだろう。

 しかし、悲しいかな、わたしは一介の事務員。そんなことをしたら、事務所で浮きまくり、周りから眉を顰められるだけ。

 お金もないし。

 そうだ、「流れに逆らって泳ぐ」ところは真似できるかもしれない。

 久しぶりに海に行ってみようかしら。

 え、ちょっと違うって?

 

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