買い物から逃れる方法

節約と投資

 わたしは薄手の羽織ものを2枚持っていて春先など肌寒い時にブラウスの上に着て重宝しているが、2枚ともボタンが付いていない。

 そこで、前を止める小さなブローチがあったらどんなにいいだろう、と思った。

 でもよくよく考えると、ブローチじゃなくて、小さな安全ピンで止めればいいことに気が付いた。女性は服を止めるのにはブローチが必要と思い込んでいないだろうか。

 危ない、危ない、また、マーケティングにはまっている、わたし、と反省。

 今日は、友人と待ち合わせて、ランチを食べに行った。待ち合わせの時間より30分早く着いたので、デパートの1階をうろうろしていたら、とってもかわいいブローチを見つけてしまった。指輪のような丸い銀色の輪にインカローズと艶消しをされた銀色のバラの花がびっしりついている。色もグレーとピンクでとてもわたし好み。

 でも、自分好みで素敵なものなど世の中にはいっぱいあることは、アラカンにもなると分かっている。(若くても、ミニマリストたちを始め知っている人は知っているだろう)

 制服を着た女性店員が微笑みながら言う。

 「お客様、こちらはインカローズをたっぷり使った一点物のブローチです。職人が一点ずつ手作りしておりましてね。今、インカローズも値が高騰しておりますでしょう。お値打ち品だと思いますよ」

 値札を見ると12,000円だった。手が届かない金額ではないけれど・・・。

 わたしは、左手首にはめていた、輪ゴムを右手でひっぱり、放す。パチンと音がして、意識が手首の小さな痛みに集中する。

 外出する時、わたしは、よく左手に輪ゴムをはめる。不要なものを買いそうになった時、自分の意識をそらすためだ。魔除けのようなもので、結構、効果がある。

 左手首の輪ゴムをパチンと弾き、「結構です」と言うと、店員さんはぎょっとした表情を浮かべ、明らかに引いていた。

 でもね、これでいいと思うの。

 わたしが週に一度、自分に許しているのは、外食と一人カラオケ、それにTUTAYAに行ってコーヒーを飲みながら本を読むこと。

 モノはもう極力買わない。買えないと思うと渇望感がわくから、自分はモノから解放されている、もう買わずに済む、と考えるようにしている。

 これは、アレン・カー著の『禁酒セラピー』で学んだ考え方だ。この本のおかげで、10年以上前にお酒もきっぱりやめられた。本の力ってやっぱりすごい。

 

 

コメント