先日、70代半ばの心理学の先生と話をする機会があった。
その先生は30代の時に、瞑想の勉強をするためにインドを訪れたらしい。瞑想の専門家のインド人を訪問したら、最初はたいそう警戒した表情で、ふんぞり返って応対されたという。しかし、日本から持参した桐箱に入った菓子を差し出した瞬間、そのインド人瞑想家の態度が急に変わり、満面の笑顔でフレンドリーに接してくれるようになったようだ。
「あまりにも物質主義と言いますか、あからさますぎて・・・。瞑想を学ぶ意欲が一気に削がれました」
と、先生は苦笑しておられた。
また、インドで身ぐるみはがされた多くの外国人旅行者が、物乞いをしている場面もしょっちゅう見かけたという。
「当時はスマホもありませんし、あったとしても盗られているでしょうし。物乞いのまま命を落とした旅行者もいたでしょうね。インドの治安の悪さは今もそう変わっていないと思いますよ」
と、先生は「インドは危険ですよ」と何度も忠告してくださった。
タイの友人も、インド人には近づいてはいけない、としきりにわたしに言ったものだ。
「タイにはね、こんな諺があるのよ。森の中でインド人とコブラに出会ったら、まずインド人を殺せってね。それほどインド人は危険なの」
と。
(インド人の皆様、ごめんなさい。隣国人が隣国人の悪口を言うのは非常識な常識。日本人もね、いろいろ悩みがあるんですよ)
しかし、15年ほど前、友人がモデルのようにハンサムなインド人男性とデリーで同棲していて、毎晩、アラビアンナイトのインド版の物語を聞かせてくれていたという話を思い出す。
友人は当時40歳ほどで、彼女のインド人の恋人は31歳、友人の恋人は、大学院を出て大学の講師の就職先を探していた。だから、友人が日本語教師をして生活を支えていたということだった。お金も20万円ほど貸していたようだ。
そんなある日、彼の車の免許証が床に落ちていて、見ると、なんと、インド人の恋人は18歳だったことが判明したらしい。インドは乾燥しているため、若くても顔に薄い皺があったりして、見た目で年齢が分かりにくいようだ。
恋人を問い詰めると、
「実際さ、君は僕の母さんより歳上なんだよ。だから、今後は、僕の身体を買って欲しいんだ」
と、開き直られたようだ。
この話を40歳以上の女性にすると、
「18歳!良いじゃん、良いじゃん」
とか、
「もっとお金をあげても良いくらいよ」
とか、
「わたしもインドに行きたい!」
などと興奮気味に言われる。
友人は当時、失恋とショックでしばらく落ち込んでいたが、この話に心から同情してくれる人は見つからなかったかもしれない。
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