2023年の「よかった探し」をするアラカン

エッセイ

 今年は今年で、ジタバタといろいろなことをしてみたが、空虚な気分で意気消沈するわたし。

 ふと、

 ”今年は何もなかった。昨年も何もなかった”

というフレーズの入った詩を思い出す。誰のどういう詩か思い出せず、気になって気になって、Bing AIにしつこく尋ねるも分からず、最後にBing AIが根を上げたのか、わたしの気持ちを代弁してくれるような詩を拵えてくれた。

今年も何もなかった、静かな一年
月日が流れ、季節は巡る
何も変わらない、それが日々

でも、それは悪いことではない
何もない年も、それはそれで美しい
平穏な時間、静かな瞬間

何もないことの中にも、何かがある
それは心の中の静けさ、平和な気持ち
今年も何もなかった、それが幸せ

確かに、この詩の通りかもしれない。何もなかった日々に、アラカンのわたしもよかった探しをしようではないか。

「よかった探し」とは昔、名作アニメとして1980年代にテレビ放映された「愛少女ポリアンナ物語」で、主人公のポリアンナが、両親を亡くした悲しみを乗り越え、明るく前向きに生きようとし、どんなことが起きてもそのなかからよかったと思えることを探し出そうとするもの。

 ・今年も、家族が皆、健康に過ごせた。

 ・極暑の中、タイのチェンマイに行って体調を崩すも、タイ人で、やり手のビジネスウーマン美女の友人ができ、温泉やフラワーガーデン、へき地の寺院を案内してもらえたこと。彼女は、わたしより10歳若く、わたしの髪をブラッシングしてはポニーテールにしてくれたり、珍しいブドウやチマキ、ヒマワリの種を口に入れてくれたり、すごく甲斐甲斐しくわたしの世話をしてくれたのだった。彼女はわたしの一生の友達!と感激するアラカン。

 ・物欲がなくなり、(服は何枚か買ったものの)大きな買い物をしなくなり、一人での外食(海外では除く)も滅多に行かなくなった。娘とカラオケやダーツに行くが、ひとりでは月に一回行く程度。すっかり、無駄遣いをしなくなった。

 ・ツイッターXで、一目均衡表の細田哲生先生を始め、いろんな国に住む人たちとも会話する機会が増え、感激したり、楽しかったり、夢が広がったこと。人間味の溢れる細田先生のポストにいつも暖かな気持ちになれた。(細田先生、本当にありがとうございます!)

 ・ベトナムのハノイで、ホテルの支配人や日本でいう人力車のシクロ、観光タクシーにぼったくられるも、20万円くらいで済んだこと(ここは、ちょっとヤケクソ)。でも、ハノイはフォーやバインミー、エッグコーヒーなど、食べ物が格別に美味しく、どの料理にも野菜がふんだんに入っていて健康的だった。今度は、タイ人のしっかりものの女友達とホーチミンとサイゴンに行く。

 ・SNSで、恐ろしい投資詐欺を目撃し、2023年は怒りに支配されて無駄にした感があるが、その中でもがき苦しんだおかげで、ものの見方がとても深くなった気がする。子どもたちにもしっかり伝えていこうと思う。

 しかし、クリスマスに、ジョン・レノンの、

”今日はクリスマス
何をした1年だった?
今年もまた過ぎ去って
新しい年が始まる”

 という歌を聴いて、胸がひりひりと痛んだことは認めなくてはならない。

 

 

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