タイ人の女友達、アノンについて思うこと

エッセイ

 昨年の11月にチェンマイに行った時、ツアーで一緒になったアノンという美しいタイ女性と友達になった。

 川下りツアーで、たまたま隣の席になったアノンは、わたしより十歳ほど年下で、チェンマイに戸建てを十棟ほど所有しており、その家賃収入で生活しているやり手のビジネスウーマンだった。他にもヨガ教室を開いたりしているようだ。

 ボーイフレンドは、オーストラリア人のファラン(タイ語で白人)。

 「10年間以上一緒に住んでいるんだけれど、わたしの手料理をいつも、「アロイ、アロイ(美味しい)」と食べてくれて、株の売買をしていて、お金をたっぷりくれるのよ」

 と、のろけていた。(ちょっと、羨ましい)

 LINEで届いたビデオレターでは、アノンと70代のお母さん、60代のファランのボーイフレンドが、タイ語でわたしに向かって話しかけてくれていた。アノンのメッセージでは、「早くチェンマイにいらっしゃい。一緒にフラワーガーデンを見に行きましょう」と言ってくれていたとのこと。とっても嬉しい。

 しかし、タイ人の母娘とオーストラリア人の男性が家族のようにチェンマイで暮らしている設定を考えると、少し不思議な気もした。この3月には、わたしもチェンマイに行き、1週間だけ、その輪に加わる。想像しただけで、わくわくする。

 わたしの娘に話したら、

 「カオスな世界」

 と、表現していた。

 まあ、それはそれとして、チェンマイに行くのは楽しみだが、お土産に悩む。

 タイでは、日本の、あらゆるものが売られていて、スーパーマーケットに行けば、醬油やバーモントカレー、インスタントラーメン、ワサビのチューブ、寿司、すき焼き弁当などなどが並んでいる。(値段は関税が掛かっている分、日本で買うより少し割高)。ダイソーショップもあるが、ひとつ約260円もするので、20バーツ(約80円)ショップに行った方がお得であろう。

 ちょっと話がそれてしまったが、タイでは、北海道のお菓子『白い恋人』が人気なことがあり、ヨクモックの「シガー」をお土産で渡すと、

 「『白い恋人』のチョコレートが入っていないものね!」

 と、喜んでもらえないらしい。(ヨクモックの菓子自体、タイでも売られていて珍しいものではない)

 せっかく買っていくのだし、喜んでもらいたい、何を買ったらいいの?とウジウジ悩むアラカン。

 そこで、ネットフリマで良いものを発見した。帯をリメイクしたバックが売られていたのだ。これなら、日本の美を土産にでき、派手好みのタイ人の友人にも気に入ってもらえそう。しかも、バックはひとつ2,000円から3,000円台で、そんなに高くもない。

 帯のリメイクバックを二つと、『彩花の宝石』という果物のグミを買って行こうと思う。『彩花の宝石』は暑くてもチョコレートのように溶けないし、潰れにくいし、果物の味がはっきりしていて、見た目もとっても美しいし、涼しげでもある。(まあ、タイでも売られているかもしれないけれど・・・)

 わたしはタイ人のアノンをとっても好きだけれど、ぎくしゃくすることもある。例えば、車を運転してくれるアノンに、「運転する間はビールを一口も飲んでほしくない」と言った時、

「どうして、たった4パーセントのアルコールも飲んじゃいけないの?」

 と、気分を害したようだった。わたしは、自分の写真をあまり撮られたくないし、ましてやポストしてほしくない(例え、タイ人しか見ない、としてもだ)。暑さに弱いのも、どうにもならない。「シャワーではなく、浴槽に浸かりたい」と言ったら、「わたしは水のシャワーしか浴びたことがないし、水のシャワーが好き」と言ったアノンとは分かり合えないことが、もしかしたら多いのかもしれない。

 でも、友達として、付き合っていきたい。一緒に歩いて行って、どちらかの心が冷め切れば、そこで握手をして別れれば良い。もしかしたら、とてつもなく美しいものを二人で見られるかもしれないから。

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