国際ロマンス詐欺(2)

エッセイ

 わたしが、国際ロマンス詐欺師と、facebookのアカウントを作ったのがきっかけで出会ったという話は「国際ロマンス詐欺(1)」で書いた通りである。

 その後、SNS上の「国際ロマンス詐欺被害者の会」にコンタクトを取り、今回の件について相談してみた。

 わたしに送られてきた写真は、名前は伏せるが、アメリカの有名な起業家でSNS上の写真もゴージャスでハンサムなので、国際ロマンス詐欺ではよく使われているとのことだった。SNS上で知らない人とはコンタクトをとらない、ということが自分を守る上で非常に大事なことだと思うが、それでも話をしてみたいと思った時は、使われている写真を検索エンジンにかけてみるのも一つの手かもしれない。

 また、国際ロマンス詐欺師は白人のアメリカ人を装うことが多く、その場合、近づいてきた人のfacebookの友達を見て、アフリカ系の人ばかりだったら、そのアカウントを買い取ったか乗っ取った可能性があるようだ。

 さらに、これは詐欺師の巧妙さにもよるが、自分の金持ち&不遇さをこれでもかというくらいアピールし、自分の写真を一方的に送ってくる場合が多い。(つまり、相手には興味がない。正確には相手の持っているお金にしか興味がない)

 一般に国際ロマンス詐欺師は、アメリカ軍の軍医でアフガニスタンなどの戦地で働いているというシチュエーションを取るが、本物の戦地の軍医は、見知らぬ人とコンタクトを取り、愛を語り出すほど暇ではない。(と、被害者の会の人たちから指摘を受けた、わたし)

 主に国際ロマンス詐欺をするのは、年収4、5万円のナイジェリアやアフガニスタンの人だという。ならば、週に1回60分で月5,000円の英会話講師になればいいのではないかと単純に思う。その際、ゴージャスでハンサムな白人男性の写真を使っても、これはイメージ上の人物です、と明記すればいいのではないか。であれば、犯罪にはならないし、定期的な収入源も確保でき、女性側も勘違いすることもなく、win-winではなかろうか。

 そもそも、そんなにお金を持っている女性(女性に限らず男性も)は、非常に少ないのだから。

 ・・・などと思うが、彼らはそんなジェントルマンではない。さしずめ、サバンナの猛禽類といったところだろう。

 くだんの写真を使われた、ハンサムでゴージャスなアメリカ人男性が、SNS上で、

 「ぼくの写真を使った国際ロマンス詐欺に注意してください!」

 と、メッセージを出したところ、詐欺師たちから、

 「お前の、クソッたれの口をすぐに閉じろ!じゃなければ、お前の大事な家族に危害を加えるぞ!これは本気だ、間違いなくやってやる!俺たちは、これからもお前の写真を使いまくって、世界中の間抜けな女たちから金を巻き上げてやるからな!」

 というような、脅しのメールが届いたという。

 アメリカでは定期的に、「国際ロマンス詐欺には気を付けましょう」と、CMを流しているらしい。

 中には、カタコトの日本語で近づいてくる場合もあるようだし、日本でもぜひ、もっと啓発活動を行ってもらいたい。やはり、国際ロマンス詐欺は、人の感情を深く傷つけ永遠に空洞を抱えさせるという意味で残酷だと思う。(周りの同情も得られにくいのも辛いよね)

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