ちょっと赤面する思い出。

エッセイ

 最近、仕事でいろんな銀行の支店名を検索することが多い。その中で、わたしが気に入っているのは「広島銀行」の「もみじ支店」。もみじ饅頭が目に浮かび、ホンワカした気持ちになる。

 30年ほど前に、職場に実家が広島の男性の同僚がいて、帰省のたびにもみじ饅頭をお土産に買ってきてくれていた。もみじ饅頭はアンコだけではなく、いちごジャムやカスタードクリームが入ったものもあって、形も可愛く大きさもちょうど良い。

 しかし、若かった当時は、洋菓子が食べたくて、

 「ねえ、今度から「バッケンモーツァルト」の焼き菓子を買ってきてよ。広島といったら、バッケンモーツァルトよ」

 と、言ってしまった。いくら同期の同僚だったとはいえ、なんて厚かましいことを、って反省している。その同僚は、その後、バッケンモーツァルトの焼き菓子の詰め合わせを二箱も買ってきてくれるようになった。当時、女性職員は皆(わたしだけじゃない)、彼が帰省するのを楽しみにしていたけれど、彼はさぞ物入りになったことだろう。

 過去の赤面する出来事で思い出すのは、何といっても、イギリス人の知人の英語を、間違っているのではないか、と指摘してしまったことだ。

 彼が、お姉さんと喧嘩したことを話し始めて、

「My sister’s words are always sharp.」

 と、言った時、彼は「sharp」を「ショアプ」という風に発音した。わたしが、

 「ショアプってどういう意味?」

 と、尋ねたら、

 「ナイフのようにショアプ、のショアプだよ」

 と、説明してくれ、わたしは、何を思ったのか、

 「ああ、それ、「シャープ」って発音するのよ。日本人は皆、学校でそう習ったもの。あなた、イングランドといっても郊外に住んでいたんでしょ、少し訛りがあるんじゃないの?」

 と、彼の発音を訂正したのだ。わたしが、日本語を外国人に訂正されたら、どんな気持ちになるだろう・・・。彼はムッとした表情をしたものの、何と「シャープ」と言い直したのだった。わたしの知人の、誇り高きイギリス人は優しい人であった。良かった、良かった・・・?

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