インド人に認知症が少ない理由

エッセイ

 アラカンになって、一番気になるのは健康のこと。

 健康であれば、工夫さえすれば安い食材で美味しいものはいくらでも作ることができる。仕事を辞めたら洋服も買わなくていいし(どっちみち、もう買わないけれど)、靴も履きやすいシューズが二足あればいい。

 海外旅行には行きたいけれど、ヨーロッパは戦争で観光旅行など行く気になれないし、アメリカではコロナによるアジア人差別がひどいらしいし。もともと、タイに住んでみたい、と思っていたけれど、物価がぐんぐん上がってきているみたいだし。30年前は、タイ人の初任給は1万5千円と聞いたものだけれど・・・。

 わたしには、タイ人の女性の友人が二人いて(彼女たちは姉妹)、それはそれはタイでお世話になった。びっくりするくらい美味しい料理や果物をいっぱい食べさせてくれ、いろんなところに連れて行ってくれた。彼女たちはブロンズ会社を経営していて、工場まで持っていて、富裕層だったと思う。けれど、住んでいる家は「ドラえもん」の「のび太」の家のように庶民的で親しみやすいものだった。家の中も生活感で溢れていたし、「おばあちゃんの家」的な安心感があった。ああ、タイのお金持ちは、家にお金を掛けず、食べる物にお金をかけるのだな、としみじみ思ったりもした。

 だいぶん、脱線してしまったけれど、インド人には認知症が少ない、ということをよく聞く。なんでも、カレーに使われるターメリックに認知症を予防する成分があるらしい。日本のカレー粉にはターメリックはほとんど入っていないようだ。

 友人にその話をしたら、

「わたし、毎週、インドカレーを食べに行こうかな。家の近くに美味しい店があるし」

 と言っていた。

 まあ、1週間に1度でも食べないより食べた方が良いのかもしれないが、インド人のように3食カレー、じゃなければ効果は薄いような気がする。

 昔、インド人の知り合いに、

「毎日、3食、カレーって飽きませんか?」

 と聞いたところ、

「インド人は、日本で幕の内弁当食べながら、ああ、カレーが食いてえ!って思うんですよ」

 と、笑っていた。

 ターメリックをオブラートに包んで、毎日水で飲んだら認知症予防の効果があるかしら、と最近、真面目に考えている。

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