52歳になった時、わたしは初めて脳ドックを受けた。
MRI検査を受けた後、医師から、
「複数の脳梗塞の跡が見つかりました」
と、告げられた衝撃は忘れられない。
医師はわたしを立たせて眼を瞑らせ、ふらつきがないか見たり両腕が上がるか確認したり、その後簡単な記憶検査まで行った。なんでも、50代にもなると2、3人に1人は何らかの脳梗塞を起こしていて、それが70歳までに100%になるそうだ。脳梗塞の場所や大きさで、記憶や視力や聴力に影響が出たり、身体に麻痺が出たりすると説明された。
自然と、中高年で杖をついて歩いている人に目が行くようになり、それまでは勝手に交通事故に遭われたのだと思っていたけれど、もしかしたら脳梗塞が原因の可能性もあることに思い至った。
脳の検査を受けた後、本屋に行き、脳梗塞についての本を立ち読みしていたら、
「あなたも脳梗塞なの?」
と、杖をついた女性から話しかけられた。60代くらいで痩せていて、声を発しても弱々しく息と一緒に漏れる感じ。口の周辺に麻痺があったのかもしれない。
「そうなんです。小さなものですが、複数見つかったんです」
と話すと、健康に効く高価な水の話になったので、お礼を言い、慌てて立ち去った。
本をいろいろ読んだが、油と砂糖、塩を控えなければならないことを知った。それらが血管内のプラークというドロドロしたものの元となり、溜まり過ぎると血管が破裂し、梗塞を起こすようだ。
今、我が家のキッチンには油とバターはない。お肉も脂身の少ない部位を買って調理している。お菓子や漬物など糖分や塩分が高いものも控えるようになった。
そういう話を、わたしが通っている心療内科の先生(70歳くらい)にしたら、先生も慌てて脳のMRI検査に行かれていた。
「ぼく、脳梗塞の跡が6個見つかったよ」
翌月の診療日、先生はそう苦笑しながら言い、どことなく元気がなかった。(知らない方が良かったのかも・・・)
ちなみに、わたしは毎日、素焼きのナッツを10粒くらい食べたら、1年後の人間ドックで、軽動脈硬化が治っていた。(ナッツは脂分が多いため、食べ過ぎは逆効果になる)
ー身体は食べたものでできているー
まったく、その通りですね。ちなみに、認知症予防学会の会長は毎日、ブロッコリーを150グラム、食べていらっしゃるようだ。
また、階段を上ったり、一駅くらい歩いたり、続く範囲でこまめに運動を行うことも意識するようになった。
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