もうずいぶん前になるが、ネットで、
「1日2,000円で暮らす節約術」
という記事を読んだ。
その節約方法とは、まず、クリアファイルを用意し、透明ポケットの中の、紙の裏表の右上に1〜31(月の日数)の数字を順に書いていき、31個のポケットに2,000円を入れておく。必ず1日、2,000円以内で食材と日用品を買い、月が終わって余ったお金で米と調味料を買い、更に残ったお金を小遣いにする、という中々ストイックな節約方法だ。
言い訳だけれど、8時間働き、2時間通勤に使っていると、わたしのひ弱な頭と身体には余力がなくなり、お金の管理まで手が回らなくなる。
これは良い方法を見つけたと、独身と主婦の知人にも勧めてみた。
独身の知人は、
「わたし、タバコ代と酒代で1,500円くらい毎日使うのに、残りの、たった500円しか食事代に使えないってこと?」
と、機嫌が悪くなった。
主婦の知り合いも、
「毎週、水曜日が特売日なのに、一日2,000円しか使えないなら、安く大量に食材を買って冷凍することができないじゃないの。この節約方法って効果あるの?」
と、口を尖らせた。
まあ、他人(ひと)は他人(ひと)。わたしはクリアファイルを購入し、数字を書き込み、2,000円を31日分入れて、準備万端にした。ちょっとした充実感。
そしてふと大事なことに気がついた。我が家では、食材や日用品の買い出しは、フリーランスで時間の余裕がある夫が行っていて、そのお金は夫の財布から出ていることを。(夫とわたしの財布は別々)
さっきまではやる気に満ち溢れていたのに、突如、クリアファイルを手に戸惑うわたし。結果、お金をすべて回収し、銀行の口座に戻した。何をやっているんだか・・・。わたしの人生、こういうことの連続のような気がする。
そのクリアファイルは、一人暮らしをしている息子に押し付け、こういう節約方法があるよ、と教えてあげたが、もちろん、使っている様子はない。
コメント