「台ふきん」というストレス

エッセイ

 子どもの頃から、台ふきんと雑巾の存在に疑問を持っていた。

 昔は100円ショップなどなく、雑巾は古いタオルを三つ折りにしてミシン縫い、ミシンがなければ手縫いをしていた。(昔の女性の仕事量は半端なかったと思う)

 台ふきんも雑巾も、かなりな高確率で悪臭を放っていた。わたしは、こんな薄汚れたものを水に浸し絞って物を拭いたところで菌と異臭が広がるだけではないか、と思いつつ、子どもだったので家庭や学校の決まりごとに黙って従っていた。

 台ふきんは、定期的に漂白し、ぼろぼろになるまで使われていた。雑巾は変色し、いよいよ黒くなるまで使い、最後は風呂場のカビなどを拭ってから捨てていた。

 ーモノには魂が宿るー

 そんな言葉が跋扈していた昭和の時代・・・。

 モノを大切に使うことは正しいと思います。しかし、わたしは結婚後、台ふきんや雑巾を使ったことはない。ティッシュに消毒液と水をかけたもので台を拭き、そのままごみ箱に捨てている。床を拭くときも、古いタオルや穴の開いた靴下などを適当な大きさに切って、拭き捨てにしている。

 エコじゃない、って?

 でも、その分、洋服を少なくすれば、場所も取らないし、お金も減らない。わたしは、コートなど1着で良い。

 台ふきんを漂白剤に浸ける必要もないから、環境にも優しいと思う。悪臭や菌を広げない分、衛生的だと思う。病院に行く回数も減るだろう、というのは言い過ぎ?

 昔は、

「台ふきんがちゃんと漂白されているかどうかで、いい嫁かどうかが分かる」

 などという理不尽な言葉もあった。

 そして、最近は、ハンカチの存在も疑い始めている。

 まあ、ハンカチにはアクセサリーのような役割もあるから、必要なのかもしれない。しかし、欧米の若者はハンカチなど使わず、ティッシュを使い捨てにしていますよ。その方が衛生的だから。(何か言いたい、わたし)

 

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