エッセイ

人は他人を見る時、自分が気にしている部分を見る。結婚当初、夫はテレビを見ながら、俳優やアナウンサーが出っ歯かそうでないかを、逐一、わたしに知らせていた。

「たくましい」というイメージでとらえられがちなアスファルトに咲く草花。しかし、わたしは見かけるたびに、聖書の「海の鳥、空の魚」という言葉が思い浮かび、ブルーな気分になる。

ずいぶん前から「全国亭主関白宣言協会」というものが存在していて、「ストップ・ザ・熟年離婚」という活動をしている。略して「全亭協」と呼ばれ、その理念とは、「関白は、所詮、天皇(妻)には勝てない」というもの。

さかなクン的生き方って最高だと思う。わたしも退職後は、彼のように、一瞬、一瞬を自分のやりたいことで満たして自分の人生を作っていきたい。

アラカンになるまで生きてきて、言葉の裏側には驚くものが潜んでいることを知った。言葉を正しく理解して、自分や自分の大切な人を守ろう。

イギリス人のジョンの話によると、日本に住む白人には、お世話をしてくれる日本人が一定数いて、その日本人たちの好意で白人が生き延びられるという構造があるという。

心のヒーリングをしたい時、わたしはタヌキのように太った猫のジジのお腹に顔を埋める。しかし、ジジの機嫌の悪い時は猫キックされ、足がわたしの目を直撃し、眼科行きになったことがある。

心がひりついて仕方がない時は、カフェインをしばらく断つ。わたしは普段からなるべくコーヒーも紅茶もカフェインレスのものを飲むようにしている。

推理小説家の松本清張先生を、わたしは物心がついた頃から、ずっと尊敬している。先生は数々の不運を努力で踏み上げ、凌駕し、決して屈しなかった。

L'Arc〜en〜Cielのhydeさんの歌声を文体にしたら、と考えたら、野坂昭如の「火垂るの墓」の文章が脳裏に浮かんだ。文体を真似して小説を書こうと思ったが、ストーリーが悲し過ぎて諦めた思い出。