投資よりも移住、と感じた日

エッセイ

 ああ、怖い。

 わたしが尊敬する投資の先生が、昨年の年末に最も儲かる投資方法の一つとして、

「3,000万円の資金を証券会社に入れてナスダック100指数に1億円の空売りを入れましょう、ただしレバレッジの掛かっていないETFを使って」

 と、youtube で仰った。何でも、今年、とても高い確率でナスダック100指数が再び30%ほど暴落するらしい。となると、儲けは、3,000万円!

 当たり前だが、投資の世界に絶対はないし、投資は自己責任で行わなければならない。まかり間違って、ナスダック100指数が上昇することがあったら、その損失たるや・・・。しかも、チャートは下落トレンドだが、月足で見るとまだ一目均衡表の雲の上にあるし・・・イジイジ。

 もちろん、3,000万円の資金なんてわたしにはないけれど、全財産を入れて、まして信用で3.3倍の空売りするリスクは、年齢的なものもあり、わたしにはとれない。先生、せっかく教えてくれたのに、ごめんなさい! 

 わたしのようなヘタレは、もう株投資などで儲けるより、いっそ物価の安い国に移住する方がイージーで確実なのではないかという気すらしてくる。タイのパタヤとインドネシアのバリ、フィリピンのセブ島、マレイシアのペナン島辺りなら、月10万円くらいで快適に生活できるのではないだろうか。アジアには、ヨーロッパのシェンゲン協定(協定内の国に通算で年に3ヶ月しか滞在できないというルール)のようなものもないし、野菜たっぷりの食事も口に合うし、冬がないのも何かと楽。ただ、ビザの問題があるので、アジアの数カ国をクルクル回るといいのではなかろうか。(タイのエリートビザを買うか、50歳以上ならタイの銀行に80万バーツを預けてリタイアメントビザを取るという選択肢もある)

 などと夢想しながら、くだんの先生の投資方法を夫に説明し、

 「どこかで聞いたことがあるけれど、大きな資金で投資する人の中には、損失の恐怖で、ダップン(漢字で書くと生々しいので、カタカナで書きます)する人もいるらしいよ」

 と話したら、わたしがトイレに行くたびに、夫から、

 「ダップンした?」

 と、聞かれるようになった。あー、わたしの夫の記憶に残るのはいつもそういうところ。話すんじゃなかったー。

(2023年は運の良い年になりますように!)

 

 

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