猫の自由と腎臓病

エッセイ

 田舎の戸建てに住んでいて、猫を飼っている人は、外と内の出入り自由にしてことが多いのではないだろうか。

 田舎の人が猫好きとは限らないけれど、ふわふわした小さな生き物が駆け寄ってくれば、目じりが下がる人も多いだろう。

 毎日やってくる猫がいれば、やってきそうな時間になればそわそわし、ベランダを開放して待っている人もいるだろう。

 そこで、問題になるのは、猫のことをよく知らない猫好きが、お客様の猫にハムやチーズ、カニカマといった、塩分の多い食べ物でもてなすことだ。

 飼い主は、高価で添加物の少ない選りすぐりのキャットフードを与えているのに、なぜか自分の猫が腎臓病になり、おしっこの出が悪くなり、結局猫の病院通いが始まり、注射に毎日5千円払っているという嘆きを耳にしたりする。最後まで苦しませたくない、と、自分の食事代を削って、猫の病院代を捻出していたりする。

 難しい問題だな、と思う。うちはアパート住まいなので、我が家の猫たちは外に出たことがない。夏、コバエや小さな蜘蛛を見つけたらテンションは上がりまくり、猫たちは躍起になって獲物を捕まえようとダッシュし、ジャンプしまくる。朝になると出窓に上がり、車や人の流れをずっと眺めている。飼い主としては不憫に感じる。

 でも、交通事故に遭わないし、部屋の中は蚤だらけにならないし、強い猫に追いまくられて迷子になる心配もないよ。

 と、日々、我が家の猫たちと自分自身を納得させている。

 

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